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革の特色

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革と皮の違い

「皮」と「革」。そのどちらも「かわ」と読む言葉の意味をご存知でしょうか?
実は「皮」とは動物の生の皮膚の事を指し、「革」は皮をなめして素材化したものを意味します。

ちなみに英語では比較的大きな動物から採れる皮を"hide"、
小さな動物から採れる皮を"skin"と区別し、「革」にあたるものを"leather"と呼びます。

さて、皮から革が作られるといっても、実は「皮」のすべてが「革」として利用されるわけでは
ありません。動物の皮膚は最も外側にある"表皮"、そのすぐ下にある"真皮層"、
そしてそのすぐ下で肉とくっついている"皮下組織"の3つに分けることが出来ますが、
これらのうち私たちが「革」として利用できるのは"真皮層"だけなのです。

革について

■ 革…動物の皮膚である"皮"をなめしたり加工して、腐敗や硬化を防いだ素材

■ 皮…動物の皮膚そのもの。

■ レザー(leather)…英語で革の事。

■ スキン(skin)…英語で皮の事。ハイド(hide)という場合もある。

革の加工

■なめす…皮を革に変える加工方法の事。タンニンなめし、クロームなめしなどがある。

革の種類

■ ヌメ革
植物から抽出されたタンニンという成分でなめされ加工された革。

■ コードバン
馬のお尻の丈夫で滑らかな革。

■ オイルレザー
なめし、または仕上げの段階で、オイルを多量に含ませた革。

■ バックスキン
鹿などのもみ革のことで、起毛させた革。

■ イントレチャート
編み込みの加工をした革。

イタリーショルダーレザーの説明

イタリーサンタクローチェで伝統的に培われたバケッタ製法と呼ばれる、
手染めで仕上げたハンドメイドフルオイルドレザーです。

アルプスで成育した牛のショルダーの部分のみを熟練した職人が
じっくりと時間をかけ、オイルを含浸させ、使い込む程、
独特の色艶が出るようになり、オイルが抜けにくい特徴があります。

イタリア植物鞣し本革組合が認定した伝統的製法の素材は、
植物タンニン鞣しを代表する天然素材です。栗やチェスナットを
鞣し剤に使用し、時間をかけてゆっくりと鞣す方法で、
クローム鞣しに比べ、コストがかかる手法ですが、
地球環境面にはやさしい製法です。

染料による手染めの為、表面の小傷やしわが目立ち、
爪傷が付きやすい特徴がありますが、
自然な趣で使い込むほどに艶と色合いが増し味が深まります。

小傷は柔らかな布で軽く摩擦すれば目立たなくなります。
革の風合いを生かすため色止めを施せませんので、
色落ちする場合もあります。

独特の風合いは、個性的な表情を楽しむことができ、
革好きには堪らない素材です。

欧州ではその自然な風合いが好まれ、表情の変化を楽しむ
文化があります。とりわけフィレンツェは何世紀にも渡って受け継がれた
革職人の町でもあり、自然革を楽しむ文化が息づいています。

バケッタ製法

バケッタ製法とは、牛脚油でたっぷりと加脂する製法です。
加工に時間がかかり脂が浸透しにくい反面、使い込んだ時に独特の色艶が
でることと、一旦加脂したオイルが抜けにくいという特徴があります。

現在では、ごく僅かなタンナーによって継承されているフィレンツェの
サンタクローチェ地区に連綿と受け継がれてきた伝統技術です。

牛脚油家畜牛のすね骨や無蹄足を煮沸して採取した
100%ピュアなオイルです。
独特な臭いがありますが、鞣しに使われるだけに、保革油としても
最適なオイルです。

傷を隠すための型押しや、ただきれいな色を出すために表面を顔料で
「塗装」した革とは比べものにならない本物の素材達です。
生きている革だからこそ深い味わいがでる極上の逸品です。

しっとりとした手触りに仕上げられた革素材は使い込むほどに独特の
味わいを増し、深みを湛えた上質の色艶をお楽しみいただくことが
できます。

成牛のショルダー部分のトラ(首筋のシワ)を自然な革素材の味として
生かし、顔料などは一切使わずナチュラルな風合いを優先したため
部位による革質の硬軟や血筋の跡、放牧時のバラ傷などは生き物で
あるためにある程度避けられないものです。

100%植物性フルタンニン槽に何週間も漬け込まれた上質な下地は
陽の光や手の脂、室内の明かりなどでも徐々に飴色に灼けていく生きている
素材です。
お使いいただく中で小さな爪傷やアタリ傷もつくでしょう。
しかしその傷さえも味になって愛着と共に風合いが深まっていきます。

ふのり

革を知り尽くした職人が最高級のレザーを手作業で裁断し、
丁寧な縫製をかけている事にあります。
年季の入った職人は革の強度や性質を考えながら、
素材に合った必要最低限のトルクで縫います。
また裁断面から革は痛んでいきますが、
専用の包丁を使って「潰し切り」裁断をすることにより
断面の剥離を防ぎます。

最近では安直な樹脂塗料によるコバ仕上げが多いのですが、
長年の使用を想定し、手作業で、この裁断面(コバ)を非常に
手間のかかるふのりによる磨き仕上げを念入りに施して、
耐久性を高めています。

「ふのり」は紅紫色で表面は粘滑光沢があり、
管状で不規則に分岐した長さ10センチ位の枝が出ており、
枝の基部は細くくびれています。
このようなふのりの原藻を水洗し脱塩して天日にて漂白処理したものが
「板ふのり」で、古来からこれを煮て糊として用いられています。

ふのり原藻

板ふのり

カーフスキン

カーフスキンとは生後6ヶ月前後までの仔牛革できめと繊維構造が
最も細かい最上質な革のことで、本製品は繊細な銀面模様の特徴を
活かしたアニリン仕上げを施し、きめ細やかでソフトな感触の表面感と
深みのある肌合いをもたせました。

個体差や染めむらについて

色や染めの具合が違うというムラが出る理由は、主に身体の部位による差です。
同じ牛から採った一枚の革の中でも、身体のどの部位かによって肌理の細かさや風合いが
異なってくるのは、人間の身体と皮膚の関係を考えれば分かりやすいでしょう。
人間の皮膚はどこも同じ厚さで、同じ性質で、同じ色をしているでしょうか?

もちろん、そうでないことはご存知とおもいます。わきの下の皮とお腹の皮、
お尻の皮と背中の皮は同じ人間でも性質が違います。
もっと細かいことを言えば、同じお腹の皮でもわき腹とおへその周辺とでは、
やはり少し性質が違ってきます。

これと同じことが、牛や豚などにも当然あるわけです。例えば、牛ではお腹の皮は繊維が粗く、
また同じお腹の皮の中でもその粗さにムラがあることが多い。
そのため、お腹の部分は鞣して革になっても繊維が粗く、革質にも多少ムラがあります。
また首の周りはシワが多く、背中は比較的繊維が揃っていることが多い。

こうした体の中の部位による皮の性質差は、要するに皮の繊維層の密度や、
繊維の結合の強さの違いなどで、こうした革質の不均一が製品ごとの革の風合いの違いを
生み出し、染色をした場合には色味が少しずつ違ってくるという製品ごとの色ムラ・染めムラの
原因となるわけです。

例えば紙で考えると、チリ紙とコピー用紙では表面の感じもインクの染み方も全く違いますが、
それと似たようなところがあります。
革の場合には同じ背中の革を使っていても、今度は牛ごとに違ってくるので、
もっと複雑になってきます。

さらに言えば、革の場合は紙ほど質が均一ではないので、同じ牛の同じ身体の部分から採った
狭い面積の革の中でも、斑紋のようにムラができることがあります。
これが、ひとつの商品の中に出てくる革の表面や裏側などに出る色や、
模様の不均一という意味での色ムラ・染めムラです。

分かりやすく言えば、革の狭い範囲の中に色が濃い部分と薄い部分、
肌理が細かい部分と、やや粗い部分などがあるという状態です。
これも革質の不均一が原因ですが、革が天然の素材で工業生産品でない限り、
どうしても出てくるものです。

しかもこうした一枚の革の中の色ムラ・染めムラは、元の革にそれほど色ムラがないように見えて、
革を染色した時にはじめて出てくるものがほとんどです。

また、こうした色ムラができるのは表側とは限りません。通常の製品は革の裏側に生地や
合成皮革、別の革などを当てることが多いので分からないことが多いのですが、
実はこうした革質の差により色ムラ・染めムラは、革の裏側の方に出ることも多いのです。

例えば自然の革の裏側をそのまま見せているような場合、そうした色ムラ・染めムラが
はっきりと見られることがあります。特にヌメ革の場合にはこうした傾向が顕著に出ることがあり、
染め色が黒などの濃い色であった場合には、カビなどと間違われることもあります。

こうした色ムラ・染めムラは革にはつきもののイレギュラーな性質なのですが、これを避けるには、
表面に厚い塗装やコーティングを施し、内装には生地などを張った製品を選ぶしかありません。
表面に厚い塗装を施せば、もともとの革質にほとんど関係なく、ほぼ均一に近いムラのない
表面が得られます。

但し、表面に厚い塗装やコーティングを施すと、
今度はせっかくの革の風合いを平準化・単純化してしまい、革らしさを損なうことになります。

逆に言えば、ヌメ革やソフトオイルヌメ革などの、自然の風合いを大切にした表面加工の
ほとんどない革素材には多少の色ムラ・染めムラはどうしてもつきものです。
ですので、こうした革を使った製品を持つ場合には、多少の色ムラ・染めムラは
当然あるものだとお考え下さい。

もっとも、こうした素材を好まれる方はこうした革のイレギュラーさを十分に理解し、
むしろ楽しまれる人の方が圧倒的に多いので、あまり気にはされないようです。

なお、最近では故意に傷やムラ、古びた感じを革に加えたブロークンレザーや
アンティックレザーが若者を中心に人気を集めていますので、こうした革特有のイレギュラーへの
理解も広がっているようです。革の本当の面白さとは、実はこうしたイレギュラーな性質を
積極的に楽しめることなのです。

血筋について

ナチュラルな革(染料仕上げ)に多いのですが、革の表面に、葉っぱの葉脈のような模様が
縦横に走っているのをしばしば見かけます。
この革表面に見られる模様はいったい何でしょうか?実は、動物の皮膚の下を走っていた
血管の痕なのです。ちなみにこうした血管の通った痕のことを業界では「血筋」と呼んでいます。

当然ながら、血管は革をとるどのような動物にも必ずあるので、血筋は本来はほとんどの革に
見ることができます。

但し、人間の体がそうであるように、この血筋の出方は全く一定ではありません。
まず体のどの部位を使った革なのかで違ってきます。
皮膚の薄いところ、血管が体表面近くに浮き出ているところを使った革では血筋がはっきりと
出やすい傾向があります。他にもオスかメス、年齢などによっても血筋の出方が違ってきます。

これらに個体差が加わると、血筋の現われる程度は革を染めてしまうと、
ほとんど分からなくなってしまう程度のものから、コーティングでも隠せないほどクッキリとした
ものまで、まさに千差万別になります。

本来、この血筋は革にはつきものの模様ですが、表面加工や厚いカラーコーティングを
しているものが多いので、それらに隠されて表面に見えないことの方が多いでしょう。
しかし、ヌメ革などのタンニン鞣しの革や染料仕上げのカーフスキンなどは自然の風合いを
そのまま生かすことが求められますので、基本的にそうした加工を施しません。

革製品の歴史が長い欧米ではあまりないのですが、革製品に慣れていなかったり、
革の流通量のほとんどを占める顔料仕上げの製品しか使ったことのない人の場合、
血筋を見て驚かれ、「革に傷がはいっている」と言われる場合がたまにあります。

最近では革に対する知識が普及し始めてきたせいか、血筋への理解や、さらに一歩進んで
血筋をむしろ積極的に楽しもうという(エルメスのカーフ製品など)本当の革好きの方が
増えてきているようです。

最近では、特に若い人やクリエイティブ系の仕事をされている方の中で、シワや傷痕とともに
血筋が入った革をわざとつかって、ラフな、あるいは自然っぽさをアピールした製品に人気が
集まってきているようです。

基本的に血筋は模様であって革質の良否に関わるものではないので、血筋も革の味わいとして
お楽しみいただければ、と思います。